プラントエンジニア
前回の記事で、石油化学メーカーは、「プラントエンジニア」という職種で学生を募集していると書きました。
ちなみにプラントエンジニアとして募集しますが、実際会社に入って以降、プラントエンジニアさんと呼ばれる事は皆無です笑
このプラントエンジニアにはどんな種類(職種)があるかというと・・・
★プラントエンジニアの種類(職種)
・静機器
・検査
・機械
・電気
・計装
ほぼ、以上の5種類に分けられると言って良いです。
それぞれごく簡単に説明しますね。
・静機器
棟・槽・配管等の面倒を見る人々です。基本中の基本であり、花形の職種ですね。
「静」と付いているだけに、自発的に動かない機器をイメージしていただけると良いかと思います。※逆の言葉は動機器ですね。
建設や保守に必要になるお金も、他の職種とは桁違いです。
機器の建設工事や改造工事を行う場合は、他の職種の人達を纏めて統括役というか、工程を管理する立場になりやすいです。
・検査
これは静機器の中に組み込んでも良いのですが、棟・槽・配管等の健全性を監視する人々です。
前回、国内のプラントは高度成長期に建設されたと書きました、建設からかなり時間が経っているんですね。
石油化学では金属を腐食させる液体を通わせていたりします、分かりやすく言えば、塩酸・硫酸・水酸化ナトリウム等です。
これら液体はゆっくりと時間をかけて配管等を溶かします、そして最後には、穴を開けてしまいます。
穴が開けば、内部流体が外に出てしまいますので、火災事故等に繋がったりします。
こういった事を防ぐ部隊です、特殊な計器を使って、配管等の腐食具合を検査します。
また、高圧ガス(これはまた別の機会に説明しますね)が通う機器については、法令で機器の肉厚(どれくらい腐食が進んでいるか)を検査監視せよという事が定められています。
・機械
これは上述したように、動機器(回転機)の面倒を見る人達です。
石油化学工場では棟・槽・配管等を使って、液体をあっちゃんこっちゃん、移動させる必要があります。
そのためには、ポンプや圧縮機が必要になります、これが対象です。
静機器に次いで、二番目に花形の職種です。
いや、もしかすると職種の中では最も難しい物かもしれません(個人の感想)
特に圧縮機なんかは部品点数が多いんです!!
皆さん、子供の頃なんかはおもちゃなんかを分解して遊びませんでした?
分解すると何に使っているんだろうという部品がたくさん出てきますよね?
そして、組み立て直そうと思ったら、組み立て方も忘れたわ、小さい部品がどっかいったわで、てんやわんやですよね?
それが、工場の中で起こると考えていただいてもいいです笑
機器が故障したら、外から見ても何も分からないので、分解調査する必要がありますが、分解するにも時間が掛かるし、壊れている部品を予想して用意しておかなければならないです。※予想が外れるとまたデスマーチです・・・
とにかく人手と専門性が必要になります、工学機械系の皆さん、お待ちしております笑
・電気
これはもう読んで字の如く、電気の面倒を見る職種です。
機械職種で回転機という言葉を使いましたが、回転機には電気が必要です。この電気を渡すのはこの職種の役目です。
基本的には、電力会社の高圧電線から工場内へ電気を引き込んで、それを変圧して場内へ供給します。
最近では工場内で自家発電を行う会社が増えてきている?と思いますが、あればこれも対象です。
工場内の照明・電灯等もカバー範囲です、プラントの美しい夜景は電気が無いと実現されませんね。
また、会社それぞれなのですが、場内放送設備・通信(電話・トランシーバー)、火災探知機もカバーします。
電気は最早身近な物で、空気の様に存在している物ですが、一度供給が遮断されると最早何も出来ません。国内でも災害で電気が遮断されると原始的な生活に逆戻りという事がありますよね、それと同じです。
しかも何が嫌かというと、電気は目に見えません!イメージが湧きにくいんですね。
なので、状態監視・検査は慎重にしないといけません、製造を止めて工場内全体を検査する機会があれば、停電させて関係機器を検査します。
工学電気系の皆さんはバリバリ活躍の場があります!お待ちしております笑
・計装
筆者が所属している職種です。せっかく計装のブログなので、これは別の記事にしたいと思います笑
以上でした。こうして見ると、工場の維持・運営には、様々な専門性を持った人々の連携が必要ですね。