圧力計(ゲージ)について -2
圧力計(ゲージ)の選定方法について、説明していきましょう。
長野計器株式会社の「JIS対応密閉形圧力計」を例にします。
https://products.naganokeiki.co.jp/products/1723.html
◆大きさ
まずは大きさを選びましょう。φ60~φ300まであります。
一般的にはφ100が最もよく使用されます。
大きければ見やすさは増しますが、場所を取ります。
監視する人の事を考えた大きさを選択しましょう。
◆タイプ
立形と埋込形があります。
一般的には立形がよく用いられます。しかし、監視用、もしくは圧力計を支持するために、パネルがある場合は、埋込形が用いられる事もあります。
◆ケース材質
金属かプラスチックが選択できます。一般的には金属が用いられますが、もし屋内使用等であればプラスチックでも大丈夫でしょう。
◆接続ネジ
容器や配管へどう接続するかを選びます。
平行ネジか、テーパーネジかを選択します。
◆接液部材質
圧力を測定するにあたって、内部の液体に接触する部分の材質を選択します。
水や空気ならそこまで気にする必要はないかもしれませんが、例えば塩酸等が接液する場合は慎重に選択しましょう。
腐食で穴が開くと、外部に漏洩しかねません。
◆圧力レンジ
例えば、0~10MPaとか、0~100MPaとかありますが、監視したい圧力が、レンジの半分くらいに入る様に選定しましょう。
例えば、通常時3MPaを測定したいなと思ったら、0~6MPaを選定できます。
◆性能
日本工業規格(JIS)、JIS B 7505-1ブルドン管圧力計には、下記の特殊な用途に使用する場合の仕様を定めています。流体に熱がある場所で使うな・・・という時は選択して下さい。
a)蒸気用 周囲温度が10 ℃〜50 ℃の場所に装備して使用するが,圧力媒体が運転開始時の水蒸気のような一時的に100 ℃の高温に耐えるものをいう。用途による種類の記号は,Mとする。
b)耐熱用 周囲温度が最高80 ℃になる場所に取り付けて使用するものをいう。用途による種類の記号は,Hとする。
c)耐振用 振動及び脈動圧の影響で指針の変動が一般の条件を超える条件で使用するものをいう。用途による種類の記号は,Vとする。
d)蒸気・耐振用 蒸気用及び耐振用の両方の条件下で使用に耐えるものをいう。用途による種類の記号は,MVとする。
e)耐熱・耐振用 耐熱用及び耐振用の両方の条件下で使用に耐えるものをいう。用途による種類の記号は,HVとする。
f)耐食用 腐食性の圧力媒体の測定を行うものをいう。この場合,受渡当事者間で材質を選定する。
◆指針
標準を選択しましょう。他の物を選択する場合は、設置場所が計量法に関係があるかどうかを調査してください。
◆スロットル
流体に脈動がある場合に設置する、圧力計の接続部で流路を狭める物です。
圧力計は構造上、針が高速に振れると、内部のギア機構が摩耗して壊れてしまいます。
これを防ぐ物です。
◆その他付加仕様等
圧力計ケースを指定色に塗装したい、圧力計目盛りに何かを書きたい、特別な書類が欲しい等、メーカー側へ要望がある場合は伝えましょう。
基本的に圧力計を選定する場合、メーカー側が選定表を用意してくれていて、それを見ながら選択していくだけで仕様を固められます。
しかし、使用する場所の特殊な事情があれば、遠慮なくメーカー側に希望を伝えましょう。
少々高価になったりするかもしれませんが、希望に応えてくれる場合があります。
今回はこれまでとします。